今日のポイント:無生物主語
☆メールマガジン「翻訳上達通信」
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柴田裕之(しばたやすし) プロフィール:翻訳家、バベル翻訳大学院(USA) プロフ
ェッサー。
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こんにちは。プロフェッサーの柴田裕之です。
さくらもちらほらと咲き始めてきましたね。
この時期は皆さんも忙しいことだと思いますが、新しい気持ちで翻訳を勉強していきましょう。
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今日のポイント
■ 無生物主語を読みほどこう
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今日のポイントは無生物主語の処理です。英語では物や抽象的な名詞がよく
主語になりますが、無生物主語は日本語にはあまりなじみません。
そこで、無生物主語の原文を訳すときは、その部分を動詞を含む表現に変える
手があります。
人を主語にできると、なおよくなります。
主語を表す所有格があれば、それを主語に仕立てますし、なければ、必要に応じてそ
の主語にあたる人を加えます。ただし、主語が不要のときは省きます。
たとえば、His confident manner convinced me that he already had an answer
.という文をそのまま訳すと「彼の自信に満ちた態度が、彼はすでに答えをもっている
ことを私に確信させた」となります。
けれどこれは、いかにも不自然ですね。confident mannerという無生物主語をそのま
ま訳しているからです。そこでその部分を動詞を含む表現に読みかえ、所有格のHis
を主語に仕立て、そこまでを原因、残りを結果として訳します。
すると、「彼は自信ありげだったので、私はもう答えがわかったにちがいないと思った」
のような訳ができあがります。
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■ では次の英文を翻訳してみましょう
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The long distance between them was intensifying his sense of security.
直訳すると、
彼らのあいだの長い距離が彼の安心感を強めていた。
翻訳技法を適用すると、
彼らは互いに遠く離れていたので、彼は安心感を強めていた。
【ヒント】
The long distance between themの部分が無生物主語ですから、ここを読みほどきま
す。themを主語に仕立てるとよいでしょう。
distance=距離
intensify=強める、激しくする
sense of security=安心感
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